HIV感染と治療法について

HIVとは免疫機能の低下や廃絶をもたらし、放置すればエイズを発症する感染症のことを指します。
HIVに感染すると、血液や精液、膣分泌物に多く含まれるため、感染経路の性交や性的接触行為が感染経路になっているのです。
唾液や尿、涙などの体液中には感染を広げるほどのウイルス量が含まれていないので、大きな傷でもない限りセックス以外の日常的な接触程度では、うつることはありません。
負のイメージが強いのは確かですが、実際には感染力の弱いウイルスというのが実体です。
HIVは感染すると、主にTリンパ球やマクロファージ(CD-4陽性細胞)に取り付き、血液中のこれらの免疫細胞の中で増殖を続けていくのです。
マクロファージなどは細菌やウイルスなどの病原体から身体を防御する免疫機能の中核をなす細胞です。
HIVによりこれらの免疫細胞の破壊が進む過程で、増殖に伴い急速に免疫機能の荒廃が進行していきます。
免疫機能が一定程度以上に低下して、代表的な23種類の疾患の診断を受けるとエイズ発症と判断されます。
HIVとエイズは混同されがちですが、エイズに進行する前段階で適切に診察を受け、治療を開始するのがポイントになるわけです。
それではHIV感染には、特有の症状などはあるのでしょうか。
特有の症状が観察されるのなら、診察を受ける目安にもなります。
しかし残念ながら、HIVに特有の症状や兆候と言ったものは無い、とされています。
感染後数週間後にインフルエンザに類似した症状が見られることもありますが、それも一時的なものでやがて症状は消滅します。
この後は数年から10年程度の無症候期間に入ります。
無症候期の間も、HIVは体内で1日あたり100億個のレベルで増殖を続けており、特にTリンパ球は感染後平均2.2日のペースで死滅していき、やがてエイズを発症するのです。
HIVには抗ウイルス薬による治療法が確立されてはいるものの、可能な限り早期に発見し、治療開始の機会を逃さないことが非常に重要です。

HIVはセックス以外の接触による感染はしない

HIVは医療が発達した現代においても、不治の病とイメージする人が多くいます。
実際に治療法は確立されてきましたが、今でも完治させる方法は見つかっておらず、感染後は病気と共存していく事になります。
ただしウイルス自体は水や熱、乾燥にも弱く、セックス以外の日常の接触で簡単に感染する事はありません。
またHIV感染者とセックスをしたとしても、最初から最後まで正しい方法でコンドームを装着していれば、感染リスクを確実に減らす事が出来ます。
このように感染する確率は低いですが、たった1回のセックスでHIVに感染してしまう可能性もゼロではありません。
厄介なのはHIV特有の症状が無いので、自分が知らない間に症状が進んでいってしまう事です。
セックスなどの不安行為から数週間後に発熱や咽頭痛などインフルエンザのような症状が現れる人はいます。
ただこの症状はずっと続く訳ではなく、また半数近くは特に何の症状も出ないのです。
初期症状が出る急性期を過ぎると無症候期に入ります。
この期間は健康な人と同じように過ごす事は出来るのですが、血液中にHIVウイルスは増殖し続けており、次々に体の免疫細胞を破壊していきます。
この間から治療を始められれば予後も良いですが、検査を受けない限りは感染の有無がわからないため、気が付いた時には免疫力が無くなりエイズ発症となってしまうのです。
HIVの完治はまだ難しいですが、早い段階から適切な治療を受ければ、健康な人と同じぐらいまで寿命を延ばす事が出来ます。
検査を受けない限りは絶対にわからないので、何らかの不安行為があった時は怖からずに検査を受けるようにします。
早期発見する事によってエイズの発症を抑えたり、または自分のパートナーへの感染を予防する事も出来ます。

関連記事